絵の初心者が一年間描いた結果!こんなに描けるようになりました!! (後編)
『樹木にとって最も大切なものは何かと問うと、
それは果実だと誰もが答えるだろう。しかし実際には種なのだ』
―ニーチェ―
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無謀にも30歳から漫画家を目指しているおっさん!たろX(たろっくす)です。
前回に引き続き、
漫画家になると決めた日からこれまでを、描いた絵とともに振りかえっていきたいとおもいます。
今回は、後編(2016.7~2017.1まで)!
目次
レベル3くらい。すっかり天狗になりました。
2016年6月ごろ。
「知り合いの孫 1歳記念イラスト」を描き上げ報酬を得たわたくし。
さらに、それがわたくしの周囲でほんのちょっぴり評判を呼び、数件イラストの依頼が舞い込みました。
それを描き上げる日々。
ちょっとだけ、いや、結構天狗になっていました・・・。
ふふふ。オレってやっぱ絵うまかったんだな。にやにや。これはもはやプロって言っていいんじゃないの?w
ちなみにそのころ描いていた絵はこちら。(絵を始めて半年くらい。)
ふっ・・。
そろそろ、次のステップに行かないと。
すっかりうぬぼれるおっさん。
自信がついたわたしは、色んな人に絵を見せまくってましたが、誰もが「めちゃくちゃうまいじゃないか!!」 とかなーり褒めてくれたのです。(今思うとお世辞だったのかも)
ふふふ。やっぱな。オレは絵がうまいのだ。ますます鼻が伸びる・・。
次のステージへ!パースとかやってみるおっさん。
すっかり鼻が伸びきった、そんな折、あることを思い出しました。
まだレベル1、インターネットで絵の上達法を漁っていたあの頃。
その際、よくわからなかった絵の技術がいくつかありました。
その一つが、「パース」といわれるものです・・・。正式には、パースペクティブ。
簡単にいうと、この「パース」という手法を使うと、絵に遠近感がでるというか、説得力がますというか・・。
いよいよ これに挑む時がきたのか。
新たな技術習得に燃えるわたしは、さっそくこの参考書を買ってパースについて勉強をはじめました。
これは、なかなかおすすめです。洋物漫画で、しかもちょっと古い感じだけど、まあまあわかりやすい。星4くらいかしら。
- 作者: デヴィッドチェルシー,David Chelsea,みつじまちこ
- 出版社/メーカー: マール社
- 発売日: 2004/07
- メディア: 単行本
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ん~・・。ふむふむ。
ほうほう。
正直なところ、割とすんなり理解できました。いや、理解できた気になっていました。
次にやることは、当然、「パース」を使った絵を描くということ。
まあ、余裕っしょ。的な甘い考えで、本で培った技術をもとにさくさくっっと描いた結果。
それがこんな感じ。あまりにひどいのは捨ててしまっていました。(現在2016年8月くらい)
・・・。
うーん。ダメだ。わかったようで、わかっていなかった。
こうこう、こういう時はどーするんだ?など疑問が続出。
技術書を読むことと、実際にやってみるとではここまで違うのか
ここで、天狗になっていたわたしの心が折れかけました。描けるはずだったのになあ。
しかし、もっとうまくなりたい、その一心で、パースについて勉強をしました。
むずかしい・・・。
丸や線と違って、すぐにうまくなったり、結果がついてこないことにイライラ。
わかった気になって、描いて、やっぱり描けなくて、調べて・・・・を繰り返す。
まあ、そんなこんなで、しばらく練習をつづけた結果、なんとかかんとか納得する絵が描けました。気づけば8月後半です。
それがこちら。
「パース」を意識した絵にしては、めちゃくちゃ初歩的というか基本的。いわゆる一点透視図法というやつを使いました。(手前のギャルでかすぎた)
このころのわたしには、これが精一杯。(今も全然大したことないけどね)
楽しくない・・・。描きたくない・・・。スランプ突入!?
「パース」について取り組むおっさん。そのほかにも、
・陰影のつけ方 ・色の塗り方 ・構図
などなど、絵について、参考書やインターネットで読み漁っては、実践的に描く日々。
合間をみて、模写だ!模写!
30秒ドローイングもやってみよう!
・・・。
んー。
あんまりうまくならないな・・・。
この参考書、描いてあることがさっぱりわからない・・・。
なんか、全然楽しくない。
この頃、楽しく描くとか、好きに描くということがまったくできなくなっていました。
技術的なことや絵の整合性など、うまく描くということばかりに気を取られるように。
インターネットのうまい絵を見て、自分との違いに凹む日々。
まあ、それは今もだけど。
そんなこんなで、9月、10月とだら~っという感じで過ぎていきました。
心身共に疲弊していき、だんだん絵を描くのがおっくうに。
というかただめんどくさくなっただけ
鼻はポッキリ折られ。前のグータラしたおっさんに・・。
そんなこんなで、 気付けばもう、2016年11月に突入。
はあ~。
一時あった絵の依頼も、この頃には、パタリとなくっていました。ビギナーズラック期間が終了したということです。伸びた鼻もポッキリと折られました。
技術的なことは難しいし、ネットの絵みたいにうまく描けない。
何より描いていて楽しくない。模写も飽き飽きだ・・・。ちぇ。
・・・。
あ!そういえばわしって漫画家志望じゃん!!
もう漫画描ける頃合いじゃね?
ってな具合に、背伸びして1・2ページのオリジナル漫画なんかを描こうにも、まったく描けない。
絵の練習をしてはいたものの、当初の目的である漫画の練習なんてまだまだ先の話だと思って、まったくやっていないのだから当然。
こんなことを繰り返し、どんどん真剣に絵を描かなくなるわたし。
前なら3時間描くところ、30分ほど手癖で落書きを描き、
ビール飲んじゃお!とか
今日は仕事で疲れたから寝よ!とか。
こんな風に前の自分に戻りつつある日々・・・。
心の中に、
「絵で食っていくなんて無理に決まっている。」
そうつぶやく自分が、見え隠れし始めているのを、感じておりました。
しかも、最悪なことに、
ちょうどこの時期、デッサン教室の契約更新が重なりました。
めんどくさいからという理由で更新せず、どんなに怠けていても、2週に1回強制的に訪れてくれていた貴重なデッサン時間を自ら捨て去ってしまいまったのです・・・。
漫画家の魂をみた。ジャンプ流。やっぱりプロってすごいよ。
このままではいけない。そう心の中では思っているが、体や気力がついてこない。
絵描くのやめようかな・・・。
絵を始めた頃の「なんとしてでもうまくなってやる!」といった熱量がドンドンと失われており、腑抜けなわたし。ただ、一日も休まずに描くという誓いだけは、かろうじて守っていました。
そんな気分のまま、2016年12月・・・。
そんな時、本当にひょんなことから、あるものに出会いました。
「ジャンプ流」というDVD付き分冊講座です。
ジャンプの名立たる先生たちが、どういった風に漫画を描いているのか、どのような思いで日々漫画に向き合っているのかを実際に作画している様子と合わせて、インタビュー形式で語ってくれます。
これから漫画家を目指す人に向けての、ジャンプからの熱いメッセージが詰まっています。
みんなも買おう!!
※宣伝はこのくらいにしてw
絵を描き始めて、これまでのわたしは、こういった類の物は一切見ないようにしていました。
何故か?
はっきりいって、観るのが怖かったのです。
プロの作画風景や絵の描き方をみると、あまりにも自分と差がありすぎて、立ち直れないのではないか、と。
さらに、多くの作家先生は、10代の頃からバリバリ描いており、
若くから描いていないと漫画家にはなれない!
そういう事実を突きつけられるのではないか、と。
しかし、
絵に対してもやもやしていた自分は、鳥山明先生のジャンプ流を手に取りました。
「これを観て、本気で無理だと感じたら、漫画で食っていきたいとか言うのをやめようかな・・・。」
そんなことを考えながら、ジャンプ流を購入したのでした。
これがまた、運命の分かれ道だったのかも。
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夜、家族が寝静まった後、一人でDVDをみるわたし。
・・・。
すごい。すごすぎる。
アタリとかなしで、いきなり描いていく鳥山神。
・・・。
初めて、プロの作画風景をみるわたし。目が釘付けになる。
スーパートリヤマアキラゴッドですよ。
観終わる。
・・・。
もう一回観よう。
すごいな。こんな風に描けたらなあ・・。
気付けば3、4回繰り返し観ていました。
で、そのDVDの中に、鳥山先生が初めて描いた漫画がチラッと出てくる。
うまいけど、とんでもなくうまいというレベルではなかった。
やっぱ、鳥山先生でもへたくそな時期はあったんだよなあ。なんだが飄々としてて天才とかいわれているけど、めちゃくちゃ努力したんだろうな。
それはもう、描いて、描いて、描きまくったんだろうな・・・。
絵で生きていくってこういうことなんだよな・・・。
絵を描いている自分には、この凄さがわかる。
・・・・。
‘はっ” としました。
はるか彼方、地平線の向こう、鳥山神の背中なんてかすんで見えないけど、自分も、同じフィールドに立っていたんだと気が付きました。
ここまで、折れずに、毎日毎日絵を描いていたからこそ、
仕事で疲れていて眠くても、家族サービスで遠くに出かけても
1年近く、休まずに描き続けたからこそ!
こう感じることができているんだと。
わたくしの中で何かが変わりました。 魂が、再び熱を帯び始めたのです。
やっぱり物事のきっかけというのは、ささいなもの。
プロに学べ!絵を描いて生きていくとはこういうことだ!!
他の先生のジャンプ流DVD、井上雄彦先生の仕事の流儀、キングダム作者 原先生の情熱大陸などなど 。
本当のプロの仕事っぷりを見漁り、ますます熱くなっていくおっさん。
すげー!かっこいい!!こうやって描くのか!
スランプだと?下手くそのくせに何を言っていやがる。
もともとそんなにうまくねーだろ。そんなこと言う暇があったら、○と-でも描いとけ!!
絵に真剣に向き合っている方々から、そう言われている気がしました。
調子に乗っていた自分。
上手いと思い上がり、なぜ描けないんだと勝手に凹んでいた自分。
自分で自分を追い込み、あげく絵から逃げていたのです。
そんな自分を恥じました。
同時に、これではいけない、もっとうまくなりたい!もっと素敵な絵が描きたい!
こうして、なんとかかんとか、初心を取り戻すことができたのでした。
・・・。もう、にげねえ。
キュピーン☆(きもい!!
ついに2017年1月1日がやってきた!!1年富士を登り切ったぞ!!
以前のように、バリバリ描くわたし。模写でもオリジナルでもなんでもござれ!
下手でもともと。頑張ればいい!!
絵を描いて生きるというよりも、やっぱり漫画家になりたい!と明確に思うようにもなりました。
そして、パースや陰影などの技術はもちろん大事だけど、こだわりすぎて袋小路に迷い込まないようにしようと意識するように決めました。(もちろんこの先も勉強はします。)
そんなこんなで、
気が付くと2016年も終わり、2017年がやってきたのです。
・・・・。
い、1年間、絵を描き続けた・・・。紆余曲折あったけれど、やり切った・・・。
これまで、何をやっても長続きしなかった自分。そんな人間がまさか・・・。
今までの人生の中で、一番頑張った一年といってもいいのではないでしょうか。(いままで、どんだけ自堕落だったんだよ!www)
やると決めたことを、継続してやりきる。
自分のなかで、ものすごく自信がつきました。人間やれば何でもできるのではないか。大袈裟かw
ただ、この絵の取り組みが、仕事にもプライベートにも、とてもいい影響を与えている気がしています。
1年前は何にもなかった自分。
誇れること、心から好きだといえること。
・・・。
ただ、今ならはっきり言えます。
絵を描くのが大好きです!!
1年やり通せた自信を実感し、静かに、わたしは心に決めました。
何年かかったとしても、プロの漫画家になるぞ!
え?下手くそだから無理って?
…
下手なら描かねば!!
FIN
・・・。
いやあ。お恥ずかしい。
調子に乗って、長々と書きすぎてしまいました。いや、長すぎてほんとごめんなさい。
こんな駄文、乱文、散文をここまで読んでいただき、本当にありがとうござます!
なんとかかんとか、ざっくりとですが、1年間の振り返りができたかなと。
ちなみにちなみにですが、これが2017年1発目に描いた絵。今年成人式を迎えた義妹に送った絵です。
で、さらに2ページの超簡単な漫画も描きましたw
こちらです。
いっちばん最初に描いたものよりは幾分か上手くなっていませんかね。ははは・・・。(良しとしよう。)
で、今後のブログの内容ですが、
リアルタイムでやっていることをベースに色々書いていくことになると思います!漫画描きましたーとか、こういう技術を勉強しましたー的な。
で、それらをブログでまったり発信していけたらなあと。
それでは、第4回でまた会いましょう!
さようなら。