たろXの『下手なら描かねば!』

ガチの素人、30歳から漫画家を目指し始めたおっさんの現在進行形型リアルドキュメント。果たして夢は果たせるのか!?

『ドン!!』 表現の幅は無限大!描き文字を極めよ (後編) 『ゴゴゴゴ・・・』

 

 

行為する者にとって、行為せざる者は

最も過酷な批判者である。

              ―福沢 諭吉―

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みなさんこんにちは。

30歳から漫画家をめざしている男、たろX(たろっくす)です。

 

「描き文字」について練習・考察しましたので、その取り組みをご紹介します。

 

ちなみに、こちらは後編です!前回記事はこちらから。

taro-x.hatenablog.com

 

 

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 目次

 

「描き文字」を徹底解剖!表現の幅は無限大だ!!

前回、ジャンプ、ヤンマガビッグコミックの各漫画の「描き文字」を数えたことを記事にしました。 

 

で、色んな漫画の「描き文字」を数えている際に、考えていたこと。

 

それは、

 

「描き文字」って、

ざっくりと大きく分けて次の二つに分けれられるなあと。

 

①    実際に聞こえる音

・ドアを閉める「バタン」 ・そばをすする「ズルズル」

・つばぜり合い「キンッ!カキン!」 ・殴る「ドガッ」「バキッ」

・レーザーを打つ「ビキュン」

などなど

 

②    周りの雰囲気、物の状態、キャラの心象を表す

・輝いている「キラキラ」 ・暗い「どよ~ん」

・照れる「カ~ッ」 ・ライトが光る「ピカッ」

・怒りに震える「わなわな」・だらだらする「ダラ~」

などなど

 

 

それぞれ、同じ描き文字でも、描く上でのポイントが若干違っている気がします。

 

まずは、①実際に聞こえる音 を描き文字で表す場合の自分なりのポイントをまとめてみました。

 

 ・音の大きさ による描き分け

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音が大きいほど、描き文字は大きくなる。(左=大きい 右=小さい)

つまり、音の大きさ=描き文字の大きさ

 

 

 ・音の高低 による描き分けf:id:taro-x:20170305220447j:plain

音が高いほど、描き文字の角が鋭くなる(左=高い 右=低い)

音の高低=エッジの鋭さ

 

 

 ・音の重量 による描き分け

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音が重いほど、描き文字の色が濃くなる。(左=重 右=軽)

音の重さ=色の濃さ(中間色はトーンなど駆使しよう)

 

 

こんな感じで。

 

これを色々組み合わせれば、実際に聞こえる音の描き文字は結構描きやすいし、表現の幅が広がりそうかも。

 

もっと突き詰めれば、 

音の大きさ、高低、重量を1~5くらいにレベル分けして、表にしておくと、便利。

 

大きさ3・高さ2・重量2 だったらこんなフォルムみたいに。

 

 

ただ、ほかにも

機械音ならノイズっぽく線をガタガタにするとか、風の音なら線をとぎれとぎれにさせたりと、オリジナリティを出す工夫も必要ですね。

 

普段から頭の中で、周りの音を「描き文字」にしてみて、メモ帳などに描いてみようと思います。

 

 

 

次に、

②周りの雰囲気、物の状態、キャラの心象を表す描き文字のポイントを考えてみました。

 

こちらは、①に比べて結構複雑。

と、いうのも、①のようにセオリーが見つけづらい。体系立てるのが難解というか面倒だなあと・・・。

 

場面の雰囲気、物の状態、キャラの心象にあわせて、感覚で適したものを選ぶのがいいかと。

 

たとえばライトが光る状態を「ピカッ」と描き文字で表すとして、

・大きく、鋭く描くと、非常に明るく目に刺さるような光となるし、

・小さく、丸く描くと、普通の明るさの、目に優しい光。

こんな感じになりません?

 

 新キャラが登場したときの「ドン!!」ってやつを、

・大きく、黒く描くと、重要キャラ感・威厳などが出る

・小さく、白く描くと、小物感が出るとか。※小物感てなに?

 

とりあえず、②は色々漫画を見たり、描きまくって感覚を養うことが特に重要だと思います。(丸投げ)

慣れだ慣れ!

 

 

とりあえず、思いつくものを描きなぐりました。

いや、難しい。

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・・・。 

難しい。

 

 

 

ちょっと実験。描き文字を変えると、印象も変わる?

描き文字分析も煮詰まってきましたので、練習も兼ね、ちょっと実験をしてみました。

 

今回、描き文字を数えたワンピースの1コマを使って。

 

左が実際のコマを模写したもの。右が描き文字を変えて模写したもの。

アナログ人間なので、PCに原画を取り込んで文字だけ変更とかできなかったので、2パターン描きました・・。こういう時デジ絵だと便利なんだろな。)f:id:taro-x:20170305221136j:plain

手前のキャラが、奥の女の子に向かって皿を分投げるシーン。

この「ビュン!!!」って描き文字ですが、ものを投げた時に空気を切る音で、実際に聴こえますね。

 

・左の特徴は、字体が丸い。ベタ塗り。

 字が黒いため、皿の重さや硬さが出ています。当たったら痛そうだなって感じもしますね。丸いけどエッジもきつく、空を切る音が高め、重いものが物凄い速さで投げられている感が出ています。

 

・右の特徴は、字体が四角い。白抜き。

 右は白抜きのため、字に重量感がなく、軽く感じます。文字も角ばっているため、空を切る音も低く、スピード感がいまいち出ていません。

 

ん~、

 

そんな気がしましたw

 

実験終了。

 

 

迷った時にはこれ!「描き文字」スクラップブック。

描き文字だけに注目して漫画をみていると、それぞれの作家さんにより、描き文字にも特徴があり、無限に幅があることに気がつきました。

 

ほんとに個性がでている。絵以外でも個性はだせるんだなあと。

 

しみじみ。

 

 

そこで、一つ名案が浮かびました。

 

気に入ったもの、マネしたい描き文字をドンドン切抜きし、スクラップブックを

作っちゃえということです。

 

なんか、こう、○○の雰囲気を出したいんだけど、どんな描き文字にしようか悩む・・・。なんてときに、非常に便利かなと。

 

そのまま描き移すのではなく、あくまでもインスピレーションを働かせるアイテムとして。

 

 

さっそく実践してみました。

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作者はどのような意図を持ってこの描き文字にしたのかを、自分なりに想像して描きこむことが重要。

 

この一撃はすごく、ダメージが大きいからうんたらかんたら。

読者の目線が、右から左に流れているので、それにあわせて。

 

こんな感じで、事細かく記載していこうと思います。

 

 

これからも、どんどん気に入ったものがあったらスクラップして、充実させていこうと思います。

これは今後役にたちそうだ!

 

漫画のスキルは他にもたくさん!恐れず立ち向かいます!

いやあ、なんだか今ちょっとマニアックというか、勉強みたいな内容になってしまいました。

 

漫画って絵がうまけりゃいい!みたいに思われがちですが、すっごく色々考えられているんだということを痛感しました。

 

今回取り上げた「描き文字」然り、作者は色々頭をひねって、いかに読者を楽しませるかを考えているんだなあ。

  

数日間、絵を描いたというよりも、勉強していた気分でしたw

 

ただ、

こうやって、ひとつずつスキルを習得していくことが、漫画上達への一番の近道かなと思います!

 

で、次回も漫画のスキルについて。

 

ずばり

「効果線」です!!(これも、苦手なんだよね・・・。)

 

 

では、またお会いしましょう。

さようなら!